私の心の中でくすぶり続けていた
一つのモヤモヤが今朝
私の内部で確実なものとなった
そうだ、私が生きているのは
思想という肥大したケチな抽象の
そんなもののためにではない
私が額に汗して生きてきたのは
私の愛する妻と
私の愛する子供たちへの
直線的な本能からだった
私は愛という言葉の
原始の意味に気がつくと
全き天然の一匹の牡に立ち戻った
荒漠たる大草原のはるか彼方
無垢の太陽の光の放射が
私の心象にくっきりと刻みこまれる
ああ、私にたった今必要なのは
戦う獅子のたてがみと
躍動する虎の筋力
私は原始の大自然の
一頭の
野獣に帰る
そこから私はしゃべりだす
明晰な
ことばをもって