プレリュード・序 詩 | 第 1 章 | 第 2 章 | 第 3 章 | 第 4 章 | 第 5 章 | 第 6 章 | 第 7 章
第 8 章 |  第 9 章 | 第 10 章 | 
第 11 章 | 第 12 章 | 終  章 | BACK TO TOP

  次 へ

第1章 メッセージ (5)

宣 言

私の心の中でくすぶり続けていた
一つのモヤモヤが今朝

私の内部で確実なものとなった


そうだ、私が生きているのは
思想という肥大したケチな抽象の

そんなもののためにではない


私が額に汗して生きてきたのは
私の愛する妻と

私の愛する子供たちへの

直線的な本能からだった


私は愛という言葉の
原始の意味に気がつくと

全き天然の一匹の牡に立ち戻った


荒漠たる大草原のはるか彼方
無垢の太陽の光の放射が

私の心象にくっきりと刻みこまれる


ああ、私にたった今必要なのは
戦う獅子のたてがみと

躍動する虎の筋力


私は原始の大自然の
一頭の

野獣に帰る


そこから私はしゃべりだす
明晰な

ことばをもって