プレリュード・序 詩 | 第 1 章 | 第 2 章 | 第 3 章 | 第 4 章 | 第 5 章 | 第 6 章 | 第 7 章
第 8 章 |  第 9 章 | 第 10 章 | 
第 11 章 | 第 12 章 | 終  章 | BACK TO TOP

次 へ

第4章 宇宙 (6)

眠 り


こうやって

眼をつむっていると

楽だ


限りなく水平線が拡がっていて
海は銀盤

空は白金の大驟雨


陽が下降する
海は深い藍に移行して

空は何処までも透き徹ってくる


陽光が地面と水平に這うとき
空は茜 海は底なしの玄い淵

黄金の光の乱反射


陽が水平線に沈む
闇に輝く無数の星々は

真昼の稲妻の残燭


自分の姿がみえる
掻きっ消えそうに心もとなく

宙に懸かって浮いている


果てしのない疲労の波
音なく色彩も掻きっ消え

空漠の眠りに落ちて行く


やがてはしかし
訪れる

静謐