わが風景画のいしぶみ


 
わが風景画のいしぶみ。
 
   われをして徐々に痛みに
 
   責めせきたてる。
  
 
      突きうがつ磨きぬかれたブロンズはいま
 
      荒れはてた赤色に縁どられ
 
      緩慢たる懊悩は
 
      尖った無言の記憶を
 
      へんぺんとほのめかせ
 
      また、突きささる。
 
 
         怠惰なる驚嘆は
 
         醜く歪んだ栄光にねじまがり
 
         わが風景画のいしぶみ
 
         塩辛い孤立にずぶ濡れて
 
         屈曲した柳はしだれ
 
         鉛筆の尖り
 
         鉛のおもたさ
 
         わが風景画のいしぶみ
 
         逃れるにすべもなし。

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