花の断片


 
私たちの娘の十一月の誕生日に
 
きみは新しい年のかけらを取りだす
 
話すにしたがいその断片は
 
きみにとっての新しい世界をひらき
 
また私の一部を閉じ
 
きみの手の上で花ひらく。
 
 
   そして真水が
 
   ひた寄せはげしく動くそんなとき
 
   思いだしてください
 
   きみはかってときにはひとりぽっちで
 
   またときにはいっしょであったことを。
 
 
      そして鈴なりの白と星づく青の
 
      光りかがやく大空に至るそんなとき
 
      思いだしてください
 
      きみはかってときにはひとりぽっちで
 
      またときにはいっしょであったことを。
 
 
         そして忘れずに憶えている
 
         そうした日々は
 
         きみはときにはいっしょで
 
         またときにはひとりぽっち

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