日本を去る前の20日間


庭の銀杏の木の葉は
ゆっくりと黄色に変色しはじめている。
熟してゆくオレンジ色の銀杏の実は
私の行く小道に落ち始めていて
家にむかう私の足にふまれ一個の実が潰れた。
この強い刺激性の匂いを再び嗅ぐのは
何時の日かと
私は訝しくも考えるのだ。

                    東京にて 2003年9月10日

 

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