フィリス ホーゲ詩集 愛と祈りの彼方  (47)
横川 秀夫訳

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寒空(さむぞら)の下


大気はガラスのように静止していて
直線的に寒く純粋で壊れやすい。
褐色の羽毛をふくらませ小鳥たちは
しゃくなげの下で一箇所に集まり
動かずに
互いに身を寄せあい来るものを
待っている。

蜂の動きは鈍くなり
その巣は琥珀で重たい
冬のさ中。
重みの加わった蜜蜂の群の内部の鋭利な朝
彼らはなじんだ軌道をたどり、触覚は
繊細にその正確な六角形の周りをなでる
午の鮮明さのなかで幾匹かは近くの海岸へと
飛びたつが
植物の茎と葉と花はすべてひからびてしまっている。

外で、のら猫はなんとか凌ぎ
あるいは蒼い太陽のなかで餓死をし。家猫は
より安楽へと傾斜し、良く食べ
良く眠る。その毛は柔らかく厚く生え
撫でられて、ふんわりとしたゴロゴロ声で応え
まどろみながらつつき、前足を丸め、お腹を上向けて寝転び
すべからく無責任。

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冬の動物たちに関することであれば何でも
私は共有をしたい。これは愛の詩です。

 

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