参 考
草野心平が.棟方志功夫妻らと共にインドへの旅をしたのは.1972年2月から3月にかけてのことであった。当時、心平69才。無論この旅からの帰国後、心平はインドに関する何篇もの詩を作っている。ここに掲げる 「ガンディーの墓」 が作られたのは、しかしながらその旅のなかでガンディーの墓参りをして後.正味14年近く経った.心平82歳の1985年11月12日のこと であった。脳梗塞で倒れ.言語障害に陥った直前のこの1985年11月、正味18日間に心平は6篇の詩をものし.驚くべき詩的燃焼を記録している。この詩は心平最後の三篇の詩のうちの一篇となった。その最後の詩三篇は、この 「ガンディーの墓」(12日)、「わが散歩」(13日)そして、「玄奘三蔵」(18日)である。
(横川 秀夫)