序章   あなたの魂 (ユリギス・ブレカイチス)   霧の中 (ヘルマン・ヘッセ)
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第13章 青 春  

サミエル・ウルマン 詩 
田 義夫 訳    松本 いずみ 朗読
 

青春とは人生のある期間を言うのではなく心の様相を言うのだ。優れた創造力逞しき意志、炎ゆる情熱怯懦を却ける勇猛心安易を振り捨てる冒険心こう言う様相を青春と言うのだ年を重ねただけで人は老いない理想を失うときに初めて老いが来る

歳月は皮膚のしわを増すが情熱を失う時に精神はしぼむ。苦悶や狐疑や、不安、恐怖、失望こう言うものこそ恰も長年月の如く人を老いさせ精気ある魂をも芥に帰せしめてしまう。

年は七十であろうと十六であろうとその胸中に抱き得るものは何か。曰く、驚異への愛慕心、空にきらめく星辰その輝きにも似たる事物や思想に対する欽仰事に処する剛毅な挑戦、小児の如く求めて止まぬ探求心人生への歓喜と興味。人は信念と共に若く 疑惑と共に老ゆる人は自信と共に若く 恐怖と共に老ゆる希望ある限り若く 、失望と共に老い朽ちる。

大地より、神より、人より、美と喜悦、勇気と壮大そして偉力の霊感を受ける限り、人の若さは失われない。これらの霊感が絶え悲嘆の白雪が人の心の奥までも蔽いつくし、皮肉の厚氷がこれを堅くとざすに至ればこの時にこそ人は全く に老いて、神の憐れみを乞うる他はなくなる