空 間

 これは
 
泥だらけの玩具や
 
刈り取られた藁塚の小山や
 
コンクリートのバルコニーの欄干の上の
 
明るいローソクの光の下などで
 
私たちが遊んでいたころの
 
そしてまた、板で閉ざされた窓の敷居の
 
奥深い空間でのことがらです。
 
 
  けれどロウソクの光でではなく
 
  傷ついた若い
 
  こころのなかの空間の
 
  悩みによって
 
  その炎は今やもっともっと高く燃えています。

           こころの旅のさなか
 
          私たちがかって親しんだ
 
          空間にあなたを
 
          いざなおうとせんがために
 
          私は古代のふところ深い丘陵を
 
          さ迷わなければなりませんでした
  
 
             けれども
 
             私はそこにはおらず
 
             私と同じように
 
             あなたもまたひとりぽっち。

戻る     次 へ