君わが胸に帰るとき


 
太っちょえくぼさん、
 
君がわらうそんなとき
 
その笑いの中にまた別の笑いを私は見る。
 
 
   魅入られた鳩色まなこが
 
   クリスマス飾りの花綱をじっと見るときそんなとき
 
   そこにはまた別のまなこがある。
 
 
      嬉しくってゲラゲラと
 
      あるいは鳩のようにクックッと笑うそんなとき
 
      明るさがさざめきわたり
 
      そのなかにまた別の声を私は聞くのだ。
 
 
         羽毛のように滑らかなクリーム色の光の
 
         君を抱きしめながら
 
         私は別の時について考える
 
         バラの花弁と白いシーツは
 
         同じことを意味しなかったころのことを
 
         また、竹の額縁におさまった
 
         凍てた頭脳が
 
         耐えていたころのことを―
 
         金盞花くん、
 
         唇をひっくりかえし静かに静かに
 
         笑っている。
 
         静かに君に耳をかたむけているその間に
 
         わが友よ飲みほせよ
 
         さすれば明日の太陽を見るだろうから。

 

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