ボラン メール
背中をねじまげ
不眠からの真っ赤なまなこで
苦痛にのたうちまわりながら
私はいま霧の払暁の中にいる、
君は関心をもったものと信じ
私の怖れは怒りへと変り
憤りは自分自身へと向かう
イスラムの暴露は
砂漠の夜々を突進し
またボラン メールが提示する
一つの生を互いに共有することが
受容され
あるいは了解されたということをすら
信ずることは欺瞞である、と
しかし私は敢えて夢みる
夜中の列車がわめいて野次りまわる
追放はないであろうことを
孤児たちの泣き叫ぶことのないことを
悲嘆が見捨てられることのないことを
そしてまたボラン メールが
私の生涯を通じて走ることを
しかしすべてを
脱線させ停止させず
あるいは背後に残してきた残骸を
君は一度でも振り返えることはかった