征服への衝動


征服への衝動は
王侯たちに限ったことではない、
古代の墳墓のように
月光のなかに半分は隠され
そして残りの半分は暗闇のなか、
手を触れられたことのない草原
目には見えない形状
いきいきとした地表への熱望は
時には密かな押圧力のなかに
また時には図々しい侮辱のなかに
そそてしばしば全くの驚きとして
現れいでる。

そしてそれから古傷が裂けるように
鋭い痛みが飲み込むように
記憶は氾濫する。

丸くちじこまり麻痺し
人は来たるべき次の日を待つのだ。

 

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