サントリーニの不稔性するめいか


トルコからのあの冷たい宦官ども
サントリーニの不稔性するめいかを食べて
彼らはなぜ太るのか私は知っている

北部ペロポネセの
風の強いエギオンでローソクを灯し、
沢山の願いごとに満ちる教会で
私はふたたび君を見たと思ったのはなぜなのか私は知っている

脈打つ赤とオレンジが
溶けて蝶の緑と茄子となり
パトラスの型破りなカーニバルで
なぜ君が私を回避し続けたのか私は知っている

それは君が少し前に去り
そして私の息子も同じように去って
未だ戻らないからだ。
また、彼が戻ったにしろ
私には知ることのないように思える
ああ我が息子よ、我が息子よ
私には知ることのないように思えるのだ。

08.07.1993
 

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