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第7章 プライバシー (8)

経済効率と金銭感覚


外食のつでに雑貨店に寄り洗剤などを買うかたわら

台所のスポンジの食器洗いも

そろそろ寿命であることを思いだし

その代替品をも買い求める

単価はたったの百三十八円
 
 
この食器洗いはすでに一年あまりの間、文句をも言わず休みなく

俺の手の一部となり毎日毎日働いてクタクタのボロボロ

だけれども俺の手になじみきっていて

捨てるにしては勿体なくしのびなく

また気の毒と思われもし

わざわざ水洗いをして絞りまた元の水切りトレーに戻し

買って来た新品は食器棚にしまいこむ

 

居間に戻るとデンとした

ン万円の新参の新品リクライニング・チェアー、

いかにも豪勢に椅子が狭い六畳の空間を占領してしまっている

なんという経済のアンバランスかと

ふっと

なぜかこころさむく