秋 「私たちがまた会うことは絶対にないだろう」
と 歌う女性の日

                               「…誰をも救い得る唯一のもの ― 強烈で完全な願望」
 
                                                        ―― クラリーサ ピンコーラ エステ


 
夏は去った、そして春のマリンバ
 
(ああ、月の下のブドウクズの花)

 
いまは十月、そして木々の上の
 
鮮紅色の花びら

 
青い大青に磨きのかかった深夜、
 
バラの茎の下の冷たい影

 
一番下にある暗い棚の上、
 
桃はそのメイソン壷に憩い
 
ブドウはその果汁の海のなかに眠る

 
正午、アメリカ サイカチの甘い金色
 
過去は光の鐘のなかにゲル化し

 
懐かしい音楽に
 
刻々が重大で、誰もが持っている
 
実現したかもしれない過去を嘆く。

 
だけど私たちを待つものは何?
 
私たちはマチュ ピッチュの彼方の星々のなかで歌うだろうか?
 
私たちはカモシカの守護天使となり得るだろうか?

 
溶解するガラスにリチウムを注げ
 
 
完全な願望しか私たちを救い得るものはない

 

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