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私たちが提供するもの  (What We Give)



 

 



 
二十一年間ロベン島に監禁した後
 官憲たちはネルソン・マンデラを
 コンクリートの要塞に移管した
 そのむきだしの壁に囲まれた屋上から見えるものは
 太陽に満ちた空だけであった

                   ありふれた草や木や
 海を見ることもできず、海風をも失って
 彼が要望したものは屋上で植物を育てるための
 半分に切られた十六個の
 ドラム缶であった。つばの広い麦わら帽子をかぶり
 彼は日に二時間その三十二個の鉢と取り組んだ。
 彼はそこからホウレン草と豆を収穫し、これを分け与えた、
 続いてレタス、イチゴ、ニンジン、ナス、
 キュウリ、ブロッコリー、コショウ、トマト、砂糖大根 ―
 そのうちの幾つかは民事刑の囚人たちに。








 
私たちは私たちの持っているものを与える。彼が費やした
 時間と労力の刑期である、次の六年の間。

 
私たちは私たちの持っているものを、持ち過ぎているものを、あるいは
 私たちが作ることを楽しみとして作ったものを与える。
 
時には私たちは必要に応じて与える。また時には
 受け取っていただくニーズにより私たちは
 私たちそのものとして代用通貨を提供する。私たちには
 欲望と呼ばれ、レタスの葉と呼ばれ、
 また囚人への憐れみとも呼ばれる与えられる側についての心の痛みがある。