遠い隣人たち
砂漠のインダスの町にある
樹木で囲まれたクリフトンの白い清潔な豪邸で
私たちは白い壁で囲まれて
別々の生活をしていた。
六十マイルもの欠伸の出るような距離を隔て
苦い年月の経過が
作り出す
恐ろしい裂け目。
恐ろしい凶作のさなかにも
私たちは手をさしのべ合った。
時には
意気投合し
そこには友情があった。
そして今、
君は素っ裸になって
宙ぶらりんな立場にたち
新たな生活を始めようとしている、
この気の遠くなるような距離
この恐ろしい裂け目は
消えてゆくかと
私は疑念をもって考える。
かって私たちは
砂漠のインダスの町に共にあったというのに、
私たちの国が
遠い隣国同士として
あと幾年あらねばならないのか。