二人の友 ― 二つの生
今日の
この静かな日に
かってジプシーたちが歌い踊った
遠くはなれた白い岩でできた丘に
おまえたちは生れた、
いやな匂いのする鉤爪足が
その心臓を引き裂き
生はずぶ濡れになった
彼は死んだことを知らずに
蜜のように甘い果樹園で
一人の息子は待機し
いま一人の息子は歩いた、
今日のこの日
そして私が育った
山のふもとにある丘で、
おまえが生まれた
今日のこの日
彼女が戦った場所である
石灰石の石切場は
その苛立ちを吐き出しはじめた、
そして彼女が恋で緑変した
起伏のあるあの丘は
最初のヒマラヤの光を捉えた、
心ないよそ者
残酷な絞殺人は
ちょうどこんな風に
彼女の生を吹き消し去った、
今日のこの日。