私たちの間には大海原が横たわって


 
私の娘は私の冷たい足にまたがって座っていた
 
彼女の唇はフルートにしっかりと押しつけられ
 
欠けやすい磁器はラーグ ヤーマンのなかに
 
静かに皺ばんでいることを示し
 
ビーズをつけた私の頭を冷やした。
 
音調は和らぎ
 
かって君がくる前に私がいた
 
そしていま君がひとりでいる
 
吹きつける砂地を舐める
 
生温かい水の音。
 
 
   楽がその鼓動を和らげるにつれ
 
   私は目をつむり君を見、
 
   ゆれるサンゴ礁をすいすいと泳ぎさる
 
   鋼青色と黒と黄色の縞のある魚たちを
 
   またしっとりとした藤色あるいは濡れたライラックの花を
 
   そして矢のように過ぎる太陽のきらめきを
 
   また時にあどけないバラを
 
   うっとりと見つめていた。
 
 
      色彩と音のはるか彼方に
 
      いくつもの大海原の広がりを私は見た ―
 
      それらは時にして現実であり
 
      また未来にもそのようにあり続けるだろう。

 

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