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第2章 自然 (1)

晩秋スケッチ


彼方

欅の樹々は

繊細な裸の枝々を陽光に震わせ


刈込の
つつじの列の紅は

煮え立って眼に痛く


しきみ樹の黒碧
強く艶やかに光る


楓の樹
いきなりに

紅蓮の炎


雀らの
七八っ羽

草叢をを飛ち


ピラカンサスの実の
目を射る

マッド・レッド


野菊の
まっ黄っ黄色の乱れ咲き


早咲きの寒椿
ひっそりと

白い一輪


枝垂れ柳はゆれうねり
うねりうねって

鯨波をつくる


つむじ風、大地を這って
枯れ落ち葉

くるくるくるくる舞い上がる


銀杏の樹々の黄金は
轟々然と天に吠え


ヒマラヤ杉
あくまでも黒く巨きく


陽光に
キラリキラリ

枯れ葉舞い

キラキラキラキラ

枯れ葉舞う