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第7章 プライバシー (1) 詩を読んで 子供が誰からか貰って来た ある動物のグラビア雑誌をみていたら 野原で遊んでいる猫の写真の上に 詩が記されているのに気づいて読んだ 何気ないが静かでみずみずしく たぶん実に頭の良い人なんだろうな、と 感じた この詩の作者はだれだろ、と きいたら ああら有名な女流詩人じゃないの、という 返事が妻からかえってきた そんな文壇のことなども知らず いささか居直ったところで 自分は勝手にモノを書き続けているが < おれは一体何者だろう > そんな思いが、ふっと 頭をかすめた。
第7章 プライバシー (1) 詩を読んで
子供が誰からか貰って来た ある動物のグラビア雑誌をみていたら 野原で遊んでいる猫の写真の上に 詩が記されているのに気づいて読んだ 何気ないが静かでみずみずしく たぶん実に頭の良い人なんだろうな、と 感じた この詩の作者はだれだろ、と きいたら ああら有名な女流詩人じゃないの、という 返事が妻からかえってきた そんな文壇のことなども知らず いささか居直ったところで 自分は勝手にモノを書き続けているが < おれは一体何者だろう > そんな思いが、ふっと 頭をかすめた。