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第8章 置物 (11)

わが愛猫


目は鬱金の碧

瞳は玄奥の黒

全身に三毛の長毛をまとい

 
額、眉間、鼻頭から頬、顎、そしてまた

喉元から胸にかけ一面ふさふさとしておおらかに

無垢の純白

 
まなこは神秘に

静かに澄みわたって深く

 
母を純白純血の

高貴なるペルシャにして

父をニッポンの巷のノラの

ゴロツキに持つ

私生児

 
尾もまたふさふさとして

その性向、ヒトにおもねること

微塵だになし

 
その名を
 
ミーワーズと名づけられ

不可思議を

常にその身にまといながら

共に生きる