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六月十七日午前五時


 
払暁の
 
涼しさのなか
 
夜明けの真珠の片鱗を夢に見る

 庭では
 
豌豆の蔦
 
  オリオンに向ってねじ曲がり

 桃の葉は
 
艶めかしいCの字に湾曲し

 長い一日が
 
フランスの麦畑のような金色を開く

 
窓ガラスに押し寄せる
 
風のオルガスムス

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