四月なかば   サイカチの木     鶴の巣川沿いの四月
バージニア州ダンガノンの クリンチ川に沿って   ブリザードのなかの町
秋「私たちがまた会うことは絶対にないだろう」
と歌う女性 の日
追 憶     青い光の光のなかに醒めて横たわりロイスについて思う     BACK TO TOP

 



秋 「私たちがまた会うことは絶対にないだろう」
                                       
 と歌う女性の日

「…誰をも救い得る唯一のもの ― 強烈で完全な願望」
―― クラリーサ ピンコーラ エステ

夏は去った、そして春のマリンバ
(ああ、月の下のブドウクズの花)


いまは十月、そして木々の上の
鮮紅色の花びら


青い大青に磨きのかかった深夜

バラの茎の下の冷たい影


一番下にある暗い棚の上

桃はそのメイソン壷に憩い

ブドウはその果汁の海のなかに眠る


正午、アメリカ サイカチの甘い金色

過去は光の鐘のなかにゲル化し


懐かしい音楽に

刻々が重大で、誰もが持っている

実現したかもしれない過去を嘆く


だけど私たちを待つものは何?
私たちはマチュ ピッチュの彼方の星々のなかで歌うだろうか

私たちはカモシカの守護天使となり得るだろうか


溶解するガラスにリチウムを注げ


完全な願望しか私たちを救い得るものはない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

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